「Lunar」か「Chinese」か?旧正月表記を巡り今年もSNSで激論が勃発

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導入

毎年1月から2月にかけてのこの時期、X(旧Twitter)のトレンドに「Lunar New Year(旧正月)」関連のワードが浮上するのを目にしたことはないでしょうか。美しい祝賀イラストやセールの告知が流れる一方で、リプライ欄や引用リツイートでは、どこかピリついた議論が交わされていることに気づく人も多いはずです。

単なる「お正月のお祝い」であるはずのトピックが、なぜSNS上で論争の種となり、拡散されているのか。今回は、グローバル化するネット社会で毎年のように繰り返される「旧正月表記問題」の背景と、それに対するネットの反応を解説します。

ニュース詳細:なぜ「名称」だけで揉めるのか

この話題の中心にあるのは、旧正月を英語でどう表記するかという問題です。

もともと旧暦の正月(春節)は、中国を中心とする東アジア文化圏で盛大に祝われる伝統行事であり、英語圏では長らく「Chinese New Year」と呼ぶのが一般的でした。しかし、旧正月を祝う文化は中国だけでなく、韓国、ベトナム、モンゴルなどアジア各国に存在します。

近年、多様性(ダイバーシティ)や各国の文化を尊重する観点から、特定の国名を冠さない「Lunar New Year(太陰暦の新年)」という表記を使用するグローバル企業や公的機関が増加しました。AppleやDisneyなどの巨大企業をはじめ、K-POPアイドルやゲーム運営会社もこの「Lunar New Year」を採用する傾向にあります。

これに対し、「中国の伝統文化を薄める行為だ」「起源は中国にあるのだからChineseと呼ぶべきだ」と主張する層と、「アジア全体の文化としてLunarが適切だ」「特定の国のものだけではない」と主張する層の間で、SNSを通じた激しい「綱引き」が発生しているのです。

ネットの反応

この議論に対し、X(旧Twitter)ではさまざまな立場のユーザーから意見が飛び交っています。

「Lunar」表記への支持とグローバルスタンダード

多くのSNSユーザー、特に欧米圏や韓国、東南アジアのユーザーからは、包括的な表現への変更を歓迎する声が見られます。

  • 「アジア全域で祝うものだから『Lunar』の方がしっくりくる」
  • 「自分の国(ベトナムや韓国など)にも独自の呼び名があるし、Chineseで一括りにされるよりLunarの方が中立的で良い」

といった、文化の多様性を認めるべきだという意見が多数挙がっています。

起源主張と「Chinese」へのこだわり

一方で、中国文化に誇りを持つユーザーや一部のアカウントからは、強い反発の声も上がっています。

  • 「歴史的に見れば中国から伝わった文化。起源を無視して『Lunar』と言い換えるのは文化の盗用だ」
  • 「韓国のアイドルが『Lunar New Year』と言っただけで炎上するのは異常だが、それだけ名称に敏感になっている」

このように、有名人が「Lunar」と発信した投稿に対し、訂正を求めるリプライが殺到するケースも散見され、SNS上での一種の「陣取り合戦」のようになっています。

日本のユーザーの反応:冷静な「傍観者」

日本は明治維新以降、新暦の正月を祝うのが一般的になったため、この論争に対しては一歩引いた、冷静あるいは困惑気味な反応が目立ちます。

  • 「毎年この時期になると表記で喧嘩していて、運営やアイドルが大変そう」
  • 「日本では旧正月を祝う習慣が薄いからピンとこないけど、海外展開するゲームやVTuberにとっては地雷原なんだな」
  • 「どっちでもいいから平和に祝えばいいのに、ポリコレとナショナリズムがぶつかると面倒なことになる」

このように、グローバル展開する「推し」が巻き込まれることを心配する声や、文化摩擦の難しさを指摘する声が多く見られます。

まとめ・考察

「Lunar New Year」を巡るSNSでの盛り上がりは、単なる言葉狩りではなく、グローバル化の中で各国のナショナリズムとポリティカル・コレクトネスが衝突する、現代特有の現象と言えます。

企業やインフルエンサーにとっては、どちらの表記を使っても一部からの批判を避けられない難しい局面が続いています。しかし、この論争が可視化されることで、私たちユーザーにとっては「同じ行事でも国によって捉え方が異なる」という異文化理解のきっかけになっている側面も否定できません。

来年以降も、この時期になると同様の議論がトレンド入りすることでしょう。その時、単なる炎上として消費するのではなく、その背景にある文化的な文脈に目を向けてみると、ネットの景色が少し違って見えるかもしれません。

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